館林市英断

2014年5月18日 群馬
NHKの番組をきっかけに身元不明の施設入所者の身元が分かりましたが、
7年間の生活費1000万円を負担した館林市は家族に生活費を請求しないことを決定したという話です。


1.行方不明から身元確定までの経過
NHK NEWS WEB 7年ぶり夫との再会(2014年5月12日):
http://www3.nhk.or.jp/news/ninchisho/2014_0512.html

2.生活費請求の可能性(2014年5月15日)
<認知症女性>7年不明 家族に生活費1000万円超請求か (毎日新聞) - Yahoo!ニュース:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140515-00000014-mai-soci

3.館林市の英断
家族に経費求めず  認知症女性保護で館林市 : 上毛新聞ニュース:(2014年5月18日)
http://www.jomo-news.co.jp/ns/1614003395854200/news.html

館林市、家族に経費請求せず 認知症の女性保護  :日本経済新聞:(2014年5月18日)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1702B_X10C14A5CC1000/


昨日、ニュースでこの一報を聞きました。
安楽岡一雄館林市市長が「認知症は社会全体の問題で、人道的見地から請求すべきでない」と英断したことは素晴らしいと思いました。



しかし、非常に悩ましい考えさせられる問題だと思います。



最近、鉄道事故で死亡した認知症の方の遺族への損害賠償の判決が高等裁で出され、
非常に注目しておりました。
【傾聴記】認知症徘徊事故に賠償命令 社会で見守る態勢 急務 - 西日本新聞:(2014年5月1日
http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/85676

認知症列車事故:同居の妻に賠償命令 長男への請求は棄却 - 毎日新聞:(2014年4月24日)
http://mainichi.jp/select/news/20140424k0000e040221000c.html


一方は損害賠償で他方は生活費であり単純には比較できませんが、
いずれも認知症により起きてしまい、
介護者である家族に高額の請求が発生してしまいました。

(館林市では実際には請求されませんでしたが、
「本人や家族に資産があることが判明した場合、市が立て替えた費用の返還をお願いするのが原則」とのことです)


認知症の方の介護・責任を誰が受け持つのかという問題を改めて考えさせられました。


昔のように家族だけで見ていくには限界があります。
しばりつけて家の中に閉じ込めておくわけにはいかないのです。

地域社会で見ていくにしても、地域住民の善意だけに頼ってはいられません。
もちろん、姥捨て山なんてもってのほかです。

だからこそ地方自治体や国が方針を示し人的金銭的な裏付けをしていくわけです。


最近、近所にデイサービスや訪問看護ステーションなどの介護や福祉に関係する施設が増えてきました。


うちの親はまだ元気ですが、
いつお世話をすることになるか分かりません。

今まで育ててもらったので、
お世話をすること自体はもちろん構わないのですが。


そして、このまま死なずに順調に生きていけば、
遠くない将来、100%の確率でお世話する側からされる側になります。



ともかく、今は認知症の方を身元が分からないようにして館林市に置き去りにする事件が起きないことを祈るばかりです。

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